≪咽頭性結膜熱(プール熱)≫ |
流行時期:夏期に多発する。 原因: 主にアデノウイルス3、7型に免疫のない幼小児に好発する。1994年以後7型の流行が全国各地にみられるようになり、より重症で、免疫がない成人が多いので注意を要する。 症状: 高熱、咽頭発赤、濾胞性結膜炎を主症状とし、約1週間つづく。眼症状は強い異物感、眼やに、結膜充血、眼瞼結膜濾胞である(写真)。 潜伏期間:3〜6日。 好発年齢:学童までの小児に多い。 特徴:明らかにプールが関係する場合は “プール熱” と俗称されている。 診断:症状とウィルスの分離培養だが、結果を得るまでに数週間を要するため、アデノウィルス抗原迅速検出法として免疫クロマト法による診断方法(アデノチェック)が行われている。20分でアデノウィルス存在の有無を判断できる。一致率94%である。 保育所と学校の管理: 学校伝染病に指定されているので、流行の規模に応じプール閉鎖、学級閉鎖を行う。患児は回復後2週間はプールに入ることを禁止する。 合併症:炎症が強いと結膜に偽膜を生じる。偽膜が厚く瘢痕(傷あと)を残すこともある。 1.溶連菌感染症 2.急性出血性結膜炎・・エンテロウイルス70型、コクサッキーA24による。潜伏期1日。眼球結膜下出血を特徴とする。症状は軽度で1週間で改善する。角膜障害は稀。伝染性が強いので、手洗いの励行、アルコールによる手指の消毒を行う。集団発生を防止するため、7-10日間の休業を指示する。 3.流行性角結膜炎・・アデノウイルス8型で、潜伏期5〜7日、伝染性高く、潰瘍を形成する。 4.単純ヘルペス結膜炎 5.クラミジアによる成人封入体結膜炎 |